收藏

ルイヴィトンダミエネヴァーフルpm編集

 一月十一日、月曜日。  学校が始まって、わたしはいつも通りの学生生活に戻っていた。  授業を終えて教室を出る。寮に戻って支度を整えてから、シスターに外出届を提出する。  しぶい顔をされながらオーケーをもらって寮を出ると、そこで藤乃《ふじの 》とぶつかった。 「出かけるの、鮮花?」 「ちょっとね。もしかすると門限に間に合わないかもしれないから、瀬尾《せお》によろしく言っといて」  綺麗な長い黒髪をした同級生にルームメイトヘの伝言を頼んでわたしは急ぐ。  早足で森を抜けて、礼園の校門に辿り着く。  守衛さんに個人用の扉を開けてもらって外に出ると、そこには見知った人物がぼんやりとわたしを待っていた。  その人物は黒一色の服に、明るい茶色をしたコートを羽織っている。この寒空の下でどれくらい待っていたのか、眼鏡のかかる鼻の頭は赤くなっていた。  わたしは走ってきた呼吸をきれいに整えて、落ち着いた声で話しかけた。 「待ちました、兄さん?」 「えっと、どうかな。そう長くはなかったと思うけど」  笑顔とも文句ともとれる曖昧な顔をして、黒桐幹也はそういった。 「じゃあ行こうか。門限まであと二時間しかないから、急ごう」  そうして幹也は歩き始める。彼の横に並んで、わたしは弾む心をそれなりに自制していた。  礼園の高い壁にそって、わたし達は駅に向かって歩いていく。
表示ラベル: